2018年05月10日

第39回藤森栄一賞の選考について(報告)

 平成2632日(日)午前1030分より、第39回藤森栄一賞選考委員会が下諏訪総合文化センターにおいて開催された。本選考委員会は、13名の選考委員のうち、笹沢浩委員長をはじめ6名の選考委員の出席を得て開催され、慎重な審査の結果、第39回藤森栄一賞の受賞者を矢島宏雄氏に決定した。以下、選考結果について報告する。

 

<第39回藤森栄一賞選考結果>

 第39回藤森栄一賞選考委員会は、201432日(日)、下諏訪町内で開催された。全国推薦委員から推薦された個人13名・団体1件の計14件を受賞候補として慎重な審査と意見交換を行った結果、全会一致で矢島宏雄氏を第39回藤森栄一賞受賞者として決定した。

 矢島宏雄氏は、國學院大學を卒業後、長野県中央道遺跡調査団調査員を経て、更埴市教育委員会に奉職し、現在は千曲市教育委員会文化財センター所長として、文化財の調査・保護・活用に尽力されている。

 矢島氏は、1978年、更埴市教育委員会に奉職以来、森将軍塚古墳の保全と築造時復元整備に取り組み、またその麓一帯を森将軍塚古墳館や古墳時代集落を配した「科野の里歴史公園」の整備事業を推進してきた。この間、古墳に建て並べる埴輪の製作や古墳の管理に市民の参加を働きかけ、さらに「お田植えまつり」や「森将軍塚まつり」など森将軍塚古墳や科野の里歴史公園を活用した斬新な事業を企画・実施してきた。こうした活動を支援する「森将軍塚古墳友の会」の育成にも力を入れ、市民が文化財に親しむ機会を広めてきた。

 また、森将軍塚古墳・有明山将軍塚古墳・倉科将軍塚古墳・土口将軍塚古墳の各古墳を含めた埴科古墳群の広域指定、名勝「姨捨(田毎の月)」の指定や、風土に根ざして営まれてきた人々の生活や生業を理解するために欠くことができない景観地として注目されつつある重要文化的景観「姨捨の棚田」の選定やその保全にも中心的な役割をはたしている。

 このような矢島氏の市民とともに文化財の保全・活用に取り組む姿勢は、在野的精神のもと、既成の概念にとらわれない斬新な研究や活動の実践者であった藤森栄一を記念する本賞に相応しいものであると評価し、ここに矢島宏雄氏を第39回藤森栄一賞の受賞者として決定するものである。

 

2014年3月2日

 

藤森栄一賞選考委員会

委員長 笹 沢  浩

posted by 長野県考古学会事務局 at 19:24| 藤森栄一賞