2018年05月10日

第42回藤森栄一賞選考結果について(報告)

 2017319日(日)午前1030分より、第42回藤森栄一賞選考委員会が諏訪市公民館において開催された。本選考委員会は、12名の選考委員のうち、笹沢浩委員長をはじめ7名の選考委員の出席を得て開催され、慎重な審査の結果、第42回藤森栄一賞の受賞者を佐藤雅一氏に決定した。以下、選考結果について報告する。

 

<第42回藤森栄一賞選考結果>

 第42回藤森栄一賞選考委員会は、2017319日(日)、諏訪市内で開催された。全国推薦委員から推薦された個人10名・団体1件の計11件を受賞候補として慎重な審査と意見交換を行った結果、全会一致で佐藤雅一氏を第42回藤森栄一賞受賞者として決定した。

 佐藤氏は58歳。國學院大學文学部を卒業され、新潟県津南町教育委員会に勤務するかたわらで、信濃川上流域の良好な遺跡の調査成果をもとに縄文時代の研究を推進した。特に2016年に『本ノ木遺跡第一次・二次発掘調査報告書−山内清男資料整理報告−』を刊行したことは、考古学史上著名な本ノ木遺跡の構造を明らかにするものであり、縄文時代草創期の研究を大きく前進させた仕事と高く評価される。

また、氏は「津南学」の提唱に大きく関わり、縄文遺跡や秋山郷の民俗など、津南町の重要な歴史、民俗、環境などの文化資源に着目し、地域研究誌『津南学』、『津南学叢書』の発行、津南学シンポジウムの開催などによって津南町の貴重な文化資源の魅力を地元のみならず全国に発信し、学界から高い評価を受けている。

近年では、201412月の津南町と長野県栄村にわたる苗場山麓ジオパーク認定の中心的な役割を果たした。認定後は地域の人々がジオパークのガイド養成講座を通じて地域の文化資源を学び、その取り組みが交流人口の増加などにつながってきている。

地域の考古資料をはじめとする文化資源から全国的な研究活動を展開し、さらにはその活動が地域の活性化にまで発展した実績は、地域史研究と、また後進を育成した藤森栄一を記念する本賞にふさわしいものであると評価し、ここに佐藤雅一氏を第42回藤森栄一賞の受賞者として決定するものである。

 

2017年3月19日

 

長 野 県 考 古 学 会

藤森栄一賞選考委員会

委員長 笹 沢  浩 

posted by 長野県考古学会事務局 at 19:29| 藤森栄一賞