2018年06月07日

第43回藤森栄一賞選考結果について(報告)

 2018324日(土)午前1030分より、第43回藤森栄一賞選考委員会が諏訪市公民館において開催された。本選考委員会は、12名の選考委員のうち、笹澤浩委員長をはじめ8名の選考委員の出席を得て開催され、慎重な審査の結果、第43回藤森栄一賞の受賞者を小菅将夫氏に決定した。以下、選考結果について報告する

 

<第43回藤森栄一賞選考結果>

 第43回藤森栄一賞選考委員会は、2018324日(土)、諏訪市内で開催された。全国推薦委員から推薦された個人9名・団体2件の計11件を受賞候補として慎重な審査と意見交換を行った結果、全会一致で小菅将夫氏を第43回藤森栄一賞受賞者として決定した。

 小菅氏は58歳。明治大学大学院博士前期課程を修了され、1990年群馬県笠懸町(現みどり市)教育委員会社会教育課に入職、岩宿博物館学芸員を経て、現在同館館長を務めている。

 勤務先の博物館の活動では、日本で初めて旧石器が発見された岩宿遺跡の博物館の構想・立ち上げと今日にいたる運営まで、地域の博物館活動に大きく貢献している。また、一般市民による友の会を指導・育成し、多くの子ども達を対象に石器づくりを中心とした体験学習を定着させ、列島初期の文化と歴史について、理解を広める活動を担っている。

 地域の博物館の本分である展示と普及・啓発活動に加え、両輪ともいえる学術研究を疎かにせず、四半世紀におよぶ岩宿フォーラムなどで、つねに最新の研究成果をまとめ上げているとともに、北関東地方を中心とする若手の研究者と研究会を組織し、旧石器時代の文化解明をテーマとした学術調査を主催している。

 このように氏の学芸員としての取り組みは、博物館活動の枠組みを広げ、主な業績に見られるように研究者が主体となる学会から一般市民との連携、そして学校教育・社会教育を通じ社会全般を視座において精力的に進められてきたものであり、そのたゆまない活動姿勢は研究者としての情熱に裏付けられたものである。

 岩宿遺跡を基盤として、子どもたちをはじめとする市民とともに研究活動に取り組み、考古学に対する多くの理解者を育成している姿勢は、在野的精神のもと、既成の概念にとらわれない斬新な研究や活動の実践者であった藤森栄一を記念する本賞に相応しいものであると評価し、ここに小菅将夫氏を第43回藤森栄一賞の受賞者として決定するものである。

 

2018324

藤森栄一賞選考委員会

委員長 笹 沢  浩

posted by 長野県考古学会事務局 at 18:28| 藤森栄一賞