2024年07月24日

第48回藤森栄一賞選考結果について(報告)

 48回藤森栄一賞受賞者

 

 

48回藤森栄一賞選考委員会は、2024331日(日)諏訪市内で開催された。全国推薦委員から推薦された個人8名を受賞候補として慎重な審査と意見交換を行った結果、全会一致で佐野隆氏を第48回藤森栄一賞受賞者として決定した。

佐野隆氏は慶應義塾大学文学部卒業後、山梨県明野村および合併後の北杜市に勤務し、数多くの発掘調査及び文化財保護行政に従事した。現在はNPO法人茅ヶ岳歴史文化研究所に勤務し、北杜市の発掘調査を担っている。

 佐野氏が調査した梅之木遺跡では、縄文時代中期の大規模な環状集落に加え、住居域から湯沢川へ通じる「縄文の道」の発見などの成果をあげ、国史跡指定につながった。その後、史跡整備を行い、市民ボランティアによる竪穴住居の復元や遺跡を活用した体験学習に加え、文化庁のLiving History促進事業を活用した整備を行いながら、地域や県外への普及活動を実施している。

主な研究としては、中部高地をフィールドとした縄文時代の論文を多数発表しており、特に発掘調査におけるフローテーション法による炭化種実の抽出やレプリカ法による土器種実圧痕の同定など、詳細な分析から見た縄文中期末から後期の集落研究を通じて遺物や遺構を幅広く捉え、この地域の縄文時代の解明に尽力している。

このような取り組みをもとに、地域研究の指導者として多数の講演会・シンポジウム等において積極的に研究成果を発信してきた。

以上のような研究および活動は、地域の文化財の重要性を唱え、既成の概念にとらわれない斬新な研究や活動の実践者であった藤森栄一を記念する本賞に相応しいものであると評価し、ここに佐野隆氏を第48回藤森栄一賞の受賞者として決定するものである。

 

 2024331

 

長 野 県 考 古 学 会

藤森栄一賞選考委員会

委員長 橋 龍三郎

藤森栄一賞受賞者一覧.pdf

posted by 長野県考古学会事務局 at 22:56| 藤森栄一賞