2025年05月13日

第49回藤森栄一賞選考結果について(報告)

49回藤森栄一賞選考結果

 

長野県考古学会は、藤森栄一賞選考委員会を2025228日(金)に開催した。全国推薦委員・選考委員から推薦された個人11名を受賞候補として慎重な審査と意見交換を行った結果、全会一致で林直樹氏を第49回藤森栄一賞受賞者として決定した。

林直樹氏は明治大学文学部卒業後、岐阜県の公立高校教員から埋蔵文化財調査担当として市町村に出向し、発掘調査や資料整理の成果を基に飛騨みやがわ考古民俗館建設及び展示に尽力した。その後、岐阜県立関高等学校に赴任し、同校の地域研究部の顧問として高校生とともに飛騨地域から中濃地域の考古学的な調査・研究活動を精力的に行っている。

林氏の学術的な研究業績としては、飛騨市塩屋金清神社遺跡の調査をはじめとして、膨大な量に及ぶ出土資料の分析から縄文時代の精神世界を司る石棒の製作過程や儀礼の痕跡を明らかにし、北陸、中部地方における石棒流通の原点ともなった生産地遺跡の実態を解明したことが高く評価されている。また、林氏は飛騨地域の旧石器〜縄文時代の調査を進め、『岐阜県史』編集に関わったほか、宮ノ前遺跡で全国的に貴重な旧石器時代の有機質遺物の検出に成功し、研究成果に基づき、飛騨地域を代表する資料として評価を受けた縄文時代の各遺跡の出土資料とともに県重要文化財指定に繋いだ。さらに、研究の領域としては東アジアの考古学史についても造詣が深く、現地踏査も踏まえた成果を多く発表している。

それらとともに林氏の業績を大きく特徴づけるのが高校の「地域研究部」顧問としての活動である。高校生とともに遺跡の現状調査を行い、聞き取り調査から民俗学的な研究、実験考古学的な探求など、多角的な視点から郷土の歴史を掘り起こし、実態が埋もれつつあった中世城郭や戦争遺跡の詳細を明らかにした。

フィールドに実在する歴史資料に触れる姿勢を重視し、研究成果を積極的に地域に還元する活動は、林直樹氏の教育の実践であり、多世代にわたる地域住民の共感を呼んでいる。それは近隣自治体と連携した文化財保存・活用にも繋がっている。学びの輪には多くの小中学生も集まり、「地域研究部」出身の高校生からは、大学で考古学や歴史学の研究に進む若者が輩出されるなど、次世代の継承者育成にも貢献している。

このような地道な地域研究の成果と、歴史遺産の担い手となる生徒達の教育活動は、考古学界のみならず教育界からも高く評価されている。さらには郷土の歴史に対する一般市民の関心を促し、地元でのシンポジウム等の開催に繋がり、高い社会的評価を得ている。

以上のような研究および教育普及活動は、地域史を広い視野から考古学的に探究し、その継承者として多くの若い世代を育成した藤森栄一を記念する本賞に相応しいものであると評価し、ここに林直樹氏を第49回藤森栄一賞の受賞者として決定するものである。

 

                 2025330

長 野 県 考 古 学 会

藤森栄一賞選考委員会

                                  委員長 橋 龍三郎
posted by 長野県考古学会事務局 at 00:00| 藤森栄一賞

2025年04月01日

長野県考古学会誌第167号の原稿募集について

長野県考古学会誌第167号の原稿を受付いたします。
エントリー期限:2025年6月10日
原稿提出締め切り:2025年9月10日
申し込み方法:下記の執筆要綱を参照のうえ、同エントリーシートに必要事項を記載し、担当者へご提出ください。
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posted by 長野県考古学会事務局 at 00:05| 長野県考古学会誌

2025年03月07日

史跡弘法山古墳発掘50周年記念事業「前方後方墳とその時代―弘法山古墳と高尾山古墳―」のお知らせ

史跡弘法山古墳発掘50周年記念事業「前方後方墳とその時代―弘法山古墳と高尾山古墳―」が開催されます。

日時:2025年3月16日(日)13:00〜16:30
場所:Mウィング 6階ホール
内容:
事例報告「史跡弘法山古墳」小山奈津実(松本市教育委員会)
事例報告「史跡高尾山古墳」木村聡(沼津市教育委員会)
記念講演「弘法山古墳の系譜を考える」北條芳隆(東海大学教授)
座談会 北條芳隆・木村聡・小山奈津実
参加費:無料
申込み:不要
詳細は以下リンク先をご覧ください。
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/site/kyoiku/164488.html
posted by 長野県考古学会事務局 at 00:59| 大会・イベント案内

2025年02月11日

シンポジウム「千曲川・信濃川における縄文時代の淡水漁撈―千曲川にサケが遡上した頃ー」のお知らせ

当会共催により、以下のシンポジウムが開催されます。
1 主 催 日本学術振興会科学研究費基盤研究(C)課題番号23K00936
2 共 催 明治大学資源利用研究史クラスター・長野県考古学会・飯山市教育員会
3 日 時 2025(令和7)年3月15日(土)13:30〜16:00・3月16日(日)9:00〜16:00
4 会 場 飯山市公民館(長野県飯山市大字飯山1436番地 電話0269-62-3342)
5 内 容
【3月15日(土)】
13:30〜13:50 趣旨説明「縄文サケ・マス論と千曲川・信濃川漁撈」中沢道彦(明治大学資源利用史研究クラスター)
13:50〜15:20 記念講演「信州のサケ文化」宮下健司(元八十二文化財団理事・元長野県立歴史館総合情報課長)
15:20〜16:00 発表「北アメリカ大陸北西海岸の伝統的サケ漁」中島庄一(長野県文化財保護協会会長)
【3月16日(日)】
9:30〜10:10 発表「縄文時代のサケ・マス類利用方法の検討」水澤教子(長野県立歴史館総合情報課長)
10:10〜10:50 発表「新潟県の鮭漁」佐藤雅一(津南町埋蔵文化財センター準備室長)
11:00〜11:40 発表「民俗資料としての千曲川における漁撈具」樋口明里(長野市立博物館学芸員)
12:50〜13:30 発表「千曲川流域における縄文時代の石錘について」塚原秀之(長野市文化財課)
佐野隆(茅ヶ岳歴史文化研究所)
13:30〜14:10 発表「安定同位体分析から見た縄文サケ・マス論」米田穣(東京大学総合研究博物館教授)
14:20〜15:20 討論
15:20〜15:40 総括 阿部芳郎(明治大学文学部教授)
6 参加費 資料集代 500円程度
7 申 込 80名先着順
事前予約可能です。下記の連絡先に、氏名と連絡先及び1日目、2日目ごとの参加を明記して事前予約申込願います。(個人情報は本シンポジウムに関してのみ使用します)
8 申込・問合先 中沢 mynakazawa@tbz.t-com.ne.jp 090-4826-1588
案内チラシ
posted by 長野県考古学会事務局 at 00:59| 大会・イベント案内

2025年01月22日

浅間縄文ミュージアム冬季講演会「毎日学芸員と週末縄文人」のお知らせ


浅間縄文ミュージアム冬季講演会「毎日学芸員と週末縄文人」が開催されます。
日時:2025 年2月8日(土)13:30〜15:30
場所:エコールみよた あつもりホール
内容:
「縄文時代を再現する」 藤森英二さん(北相木村考古博物館)
「縄文時代を展示する」 川端典子さん(富山県朝日町 まいぶんKAN)
「放談 縄文時代の道具あれやこれ」週末縄文人(縄さんと文さん) 川端典子さん 藤森英二さん 芹沢一路(当館学芸員) 
※申し込み不要・聴講無料
お問い合わせ先 浅間縄文ミュージアム TEL:0267-32-8922 
詳細はチラシをご覧ください。
posted by 長野県考古学会事務局 at 22:21| 大会・イベント案内